ヨシ焼きのあと、芽吹いた新芽

ヨシのかやぶき屋根

​ヨシ葺き壁(写真は善了寺)

ヨシのこと

以前からお世話になっている、滋賀県安土のヨシ葺き「葭留」さんを訪ねました。 

琵琶湖最大の内湖「西の湖」でヨシを刈り取り、屋根葺き材などに活かしておられます。

日本では古くからなじみのある、かやぶき屋根。

都市部ではほとんど見られなくなってしまいましたが、田舎でかやぶきの集落に出会うと、自然と人の営みが

織りなすその風景の美しさに、思わず目を奪われます。屋根のメンテナンスは結やもやいという地域相互扶助によって引き継がれてきたことから、くらしのつながりや、すまいと土地との一体感を感じさせられます。

ヨシは水辺に生息するイネ科の多年草植物です。

中空層があり腐朽が遅く、かやの中では優れた素材で、厚く葺いたヨシ葺きには断熱性、遮音性、防水性があります。何より環境性は高く、1年で大きく成長するため、毎年刈りとることができる循環型の資源です。

ヨシの群落には豊かな生態系と高い水質浄化能力、また空気清浄能力があると言われ、かつては簾(すだれ)や葦戸、ヨシ葺き屋根など、住生活に密接に活かされていました。

戦後の生活様式の変化や水辺の開発、中国からの安価なヨシ製品の輸入などにより国内のヨシ産業は衰退し、

川や湖の風景も大きく変化しました。水辺をめぐる、私たちのくらしかたについて考えさせられます。

 

日本では法的制限が厳しく屋根に葺くことの難しいヨシですが、壁に葺くことは可能です。

ヨーロッパでは古くから建物の外壁に使用され、今は工法も確立されて様々な現代建築に活用されています。

やわらかく美しい、なつかしくて新しい素材、ヨシ。

これからも空間づくりに活用していきたいと考えています。

琵琶湖最大の内湖、西の湖の冬

茅葺を用いたオランダの現代建築

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